一口にプロジェクターといっても、機種によってさまざまな特徴があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。「プロジェクターのおすすめ商品はどれ?」と聞かれても、ユーザーによって利用シーンが異なるため、なかなか一概には答えにくいのが現状でしょう。そこで今回は、自分にとって「おすすめの一台」を見つける方法を解説していきます。
利用シーンにマッチするプロジェクターがおすすめ
ビジネス用のプロジェクターを選ぶときは、「とりあえず性能が高いモデルを買っておけば安心だろう」という思考に陥りがちです。この考え方は半分正解ではありますが、決して万能ではありません。たとえば、いくつかのミーティングルームや会議室でプロジェクターを使いたい場合は、高性能な大型プロジェクターよりも、持ち運びやすいコンパクトなプロジェクターのほうが使い勝手がいいでしょう。例えばカシオ計算機からリリースされている「 FORESIGHT VIEW 」は、A5サイズのボディに約1.1kgの質量という、携帯性に優れたモデルです。
当然ながら、小さなミーティングルームで使う場合と、大きな講堂やホールで使う場合でも、おすすめするプロジェクターは違ってきます。明るく広い場所で投映したい場合は、輝度やコントラスト比に優れた高輝度タイプのモデルを選びたいところですが、狭い場所ではまた話が違ってきます。スクリーンに映像を投映するときは一定の距離が必要になりますが、小さなミーティングルームや、プロジェクターの設置場所に制限がある部屋の場合、大型のプロジェクターでは投映できない場合があるからです。そういった環境では、たとえばカシオ計算機の超短焦点モデル XJ-UT352WN を選べば、わずか13㎝の距離から60インチサイズの投映ができるなど、狭い場所でも問題なくプロジェクターを使うことができます。
こういった点からも、プロジェクターの用途だけではなく、場所も含めた利用シーンにうまく適合する機種が「おすすめ」だといえるでしょう。
プロジェクターのおすすめポイントをチェック
各社からさまざまなプロジェクターが登場していますが、それぞれの商品の強み(=おすすめポイント)もしっかり把握しておきましょう。
たとえば、プロジェクターを選ぶときは最大輝度に注目が集まりがちですが、実は光源の種類ひとつをとっても、近年はいろいろな選択肢があります。具体例をひとつ挙げると、カシオ計算機のプロジェクターに搭載されている「レーザー&LEDプロジェクター光源技術」は、従来型の光源と比較して、少ない消費電力で明るい投映光を得ることができます。こういったメリットは、単に輝度(ルーメン)の数値を比較するだけでは見えてこないため、やはり商品の強みという面に着目する必要があるでしょう。
レーザーやLEDを使った光源は従来型のランプと比較して光源寿命が長い傾向があり、交換の手間が軽減されることも大きな強みですが、節電への貢献も見逃せません。消費電力に関しては、メーカーや機種ごとにバラツキがあるポイントですので、比較検討の材料にしやすいでしょう。
また、消費電力が小さいということは、本体を冷却するファンの音も抑えやすいなど、メリットが連鎖的に作用する点にも注目してみてください。プロジェクターは投映輝度が明るくなるほど、どうしてもファンの音も大きくなってしまいがちですが、静かな会議室などでは意外とファンの音が気になるものです。
自分にとって使い勝手の良い製品を選ぶ
ここまで、自分にとっての「おすすめのプロジェクターとは?」というテーマで話を進めてきましたが、自分のニーズがどこにあるのか、いまひとつイメージできない人もいると思います。そこで、自分が実際にプロジェクターを使っているシーンを想像してみてはどうでしょうか。
たとえば、会議でプロジェクターを利用するシーンを思い浮かべてください。会議の流れで自分のPCに入っている資料をメンバーに見せたくなったときに、さっとプロジェクターを使えればスマートですが、電源を入れてから立ち上がるまでに時間が掛かってしまったということはありがちです。そんなときは、立ち上がりが早いプロジェクターが欲しくなるものですが、実際に「クイックON & OFF」といった起動性の良さをウリにしている機種も存在します。
また、会議での発表が時間通りに終わらない…といった心配事をイメージした人は、「プレゼンテーションタイマー」など、プレゼンをサポートする機能が搭載された機種を選べば大きな助けになるでしょう。
プロジェクターをはじめて使う方や機械が苦手な方は、メンテナンスの場面を想像してみてください。ランプや埃用フィルターの交換は自分でできそうか、設置や保守・点検などのサービスはあるか…といった点は、プロジェクターを購入する前に確認しておくといいでしょう。防塵設計が施された機種や長寿命の光源が搭載された機種なら、メンテナンスの手間そのものが軽減されるはずです。
こういったユーザーごとの課題を解決できるプロジェクターこそが、その人にとって本当の意味での「おすすめプロジェクター」ということになります。