水銀を使わないという選択

誰もが今日からできる
「水銀フリー」のライフスタイル。

写真:石橋 康弘(いしばし・やすひろ)

熊本県が宣言する「水銀フリー」とは、水銀が含まれる製品をできる限り使わないようにし、また、使用済みの製品を適正に廃棄することにより、最終的に水銀が使われなくなる状態をいう。

「現在熊本県では、率先して県庁新館や県有施設、道路やトンネルなどの蛍光灯をLED照明に切り替えるなど、毎年水銀使用の削減を実践しています。蛍光灯はやめてLED照明にしていこうという動きは、全世界的に進められています。エネルギーのセーブという点でも、LED照明の方が電気エネルギーをセーブできますよね」

それでは、私たちがすぐにでも実践できる「水銀フリー」とは?

「まず、家庭にある水銀含有製品を使わないことです。例えば水銀体温計を電子体温計に、蛍光灯をLED照明に変える。電池は水銀を使用していない電池を選ぶなど、水銀を持たないことです。そして、処分する時にはそれぞれの自治体へ確認されて、適正に廃棄することですね。もしも適正な廃棄物の処理ルートに乗っていないということが起きると、どこかで埋められたり、環境中に放出されたりすると水銀が出ていくことになります。そういうことにならないためにも、できれば水銀を使わない方が良い。そういうところで、カシオさんは水銀を使わない商品を開発されたんだと思います」

テレビやパソコンの液晶ディスプレイやプロジェクターの光を出すランプの部分にも、水銀が使われていることは、ほとんど知られていない。水銀を使わない、廃棄物を出さないという想いを胸に、カシオでは世界に先駆けて2010年からすべてのプロジェクターで水銀ゼロを達成した。

「水銀フリーの製品を作られている会社さんが、もっとアピールしてもらうと、みなさんの意識も変わってくると思います。2021年以降は、水銀を含む製品の製造や輸出入が禁止されるため、世界的にも水銀を使わない動きは始まっています。水銀を使わないことは環境にやさしいのはもちろんですが、私たちの生活が安心でもあるということ。新しく製品を買う時にも、原材料を確認し、水銀を使っていないものを選択する意識や行動が大切です。」


石橋 康弘(いしばし・やすひろ)

写真:石橋 康弘(いしばし・やすひろ)

熊本県立大学環境共生学部
石橋康弘 教授
「熊本県水銀の使用削減及び水銀廃棄物の回収・処理に関する検討会」
「熊本県水銀含有廃棄物の安全かつ効率的な処理方法に関する検討会」
会長などを歴任。