Sound ~ AiR Grand音源
時代を超えて愛される、3つのピアノ。その音色を、思いのままに。
永いピアノ史において、誕生から今日まで、輝きを放ち続けている3つのピアノがあります。ベルリン、ハンブルク、ウィーンで生まれたそれらは、著名な作曲家やピアニストとともに数々のコンサートやレコーディングで活躍してきました。古くから親しまれているピアノ曲は、その3つのピアノによって生まれたものも少なくありません。
そんな、世界中で敬愛されている歴史的なピアノたちの性質や個性をカシオは徹底的に研究・分析し、3つの音色として表現しました。リストやドビュッシーらも愛したピアノの音を、CELVIANO Grand Hybridで思いのままに奏でてください。
Berlin
~ベルリン・グランド~
輪郭がはっきりとして、落ち着きのある上品な音。透明感のある音と響きが、軽やかで色彩豊かな旋律を奏でます。印象派の音楽を演奏するのに適しています。
Hamburg
~ハンブルク・グランド~
迫力と力強さを備え、弦共鳴の多い華やかな音。表現幅が広く、多くのピアニストから愛される音です。あらゆる演奏、ジャンルにマッチします。
Vienna
~ウィーン・グランド~
迫力ある低域弦と、やわらかく美しい弱打が特徴的。豊かな表現力を持つ、重厚で落ちついた音です。古典派の音楽を演奏するのに適しています。
珠玉の音色「ベルリン・グランド」を生んだC.ベヒシュタインとのコラボレーション。
CELVIANO Grand Hybrid の音色のひとつ、「ベルリン・グランド」音色はカシオとC.ベヒシュタインの共同開発によって誕生しました。輪郭がはっきりとして上品な、透明感のある音と響きを創りだすにあたり、カシオはC.ベヒシュタインの最高峰マイスター・ピース「D282」モデルを分析。同社のピアノの開発責任者であるアルブレヒト氏をカシオ計算機株式会社 羽村技術センターに招き、最終的な調整までを共に行い完成させた、珠玉の音色です。
唯一無二の響き、C.ベヒシュタイン。
「ピアノ音楽は、ベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ」。クロード・ドビュッシーにそう言わしめたピアノ、C.ベヒシュタイン。その歴史は、創始者カール・ベヒシュタインによって、1853年にドイツのベルリンで始まりました。美しくみずみずしい透明感、まるでシルクをなでるような鍵盤のタッチ、壮大でダイナミックな表現力、そして天使の声のような柔らかさ。その珠玉の音色は、時代を超えて世界の人々に愛され続けています。
至高の弾き心地を導く、こだわりの音づくり。
[ AiR Grand音源 ]
CELVIANO Grand Hybridが採用した3つのピアノは、音色や響き、そして鍵盤を弾いた時の音の返りにもそれぞれ異なる特徴があります。つまり3つのピアノの魅力を充分に味わうためには、ひとつの鍵盤の音に3つの個性を持たせる必要があります。
カシオがこだわったのは、個々のピアノを弱音から強音まで余すところなく演奏できる性能の実現、そしてより広い表現幅でした。音の波形を時間の経過とともに変化させるマルチ・ディメンショナル・モーフィング技術は、例えばピアニッシモからフォルテッシモにクレッシェンドする際などにも自然な音色変化を提供します。この技術を、3つのピアノそれぞれに適した音色変化を得られるようにチューニングすることで、各ピアノにおいて繊細なタッチのニュアンスまで弾き手の意のままに表現できるようになりました。また、天然素材を多く使い、温度や湿度変化に影響を受けやすいピアノは“生きもの”と表されることがあるように、品質を保つために定期的なメンテナンス=調律が必要になります。特にフルコンサートグランドは、すべての弦が完璧なバランスで保たれていないと豊かな共鳴を得られません。ハンマーが直接打たない弦までも調律を施さないと、共鳴がかえって雑音に聴こえてしまうこともあるほど繊細なのです。CELVIANO Grand Hybridは、弦共鳴システムにより、フルコンサートグランドの豊かな弦共鳴をいつでも得ることができ、ダンパーペダルを使用した際に生じる様々な弦共鳴なども、88鍵それぞれにフィットした響きを与えることによって、自然で心地よい演奏を可能にしています。
この2つの技術を含んだCELVIANO Grand HybridのAiR Grand音源は、単に良い音を追求するだけでなく、奏者を至高の弾き心地へ導くための音づくりを行っています。
- AiR = Acoustic & Intelligent Resonator
奏者の感性に応える自然な音色変化を実現
[ マルチ・ディメンショナル・モーフィング ]
グランドピアノが弾き方や時間によって音色が変化するように、音の波形をなめらかに変化させる技術が「マルチ・ディメンショナル・モーフィング」です。打鍵の強弱や時間の経過による変化を三次元的にきめ細かにコントロールすることにより優しく繊細な ppp (ピアニッシッシモ)から、力強い fff (フォルテッシッシモ)まで、奏者の感性のままに表現できます。
様々な共鳴を制御し、豊かで深みのある響きへ
[ 弦共鳴システム ]
グランドピアノの音は様々な共鳴(レゾナンス)によって豊かで美しい響きを生み出します。弦共鳴システムは、演奏している状況に応じたレゾナンスの量や組み合わせを制御することで、グランドピアノの弦共鳴を徹底的に追求。具体的には、鍵盤を弾いた時に異なる弦が共鳴して生まれる響きを表現した「ストリングレゾナンス」。ペダルによりダンパーが外れた時の弦共鳴を表す「ダンパーレゾナンス」。豊かで深みのある響きを実現しています。
音域で異なる発音タイミングを表現
[ ハンマーレスポンス ]
グランドピアノは音域ごとに弦を叩くハンマーの大きさに違いがあります。そのため、同じ強さで鍵盤を弾いても、音域によって発音タイミングが微妙に異なります。CELVIANO Grand Hybridの鍵盤システムでは、そうした音域ごとに異なる発音タイミングの違いを徹底追求。さらに、弾く強さに応じて異なる発音タイミングの違いまでも丁寧にシミュレートしています。
離鍵時の響きのニュアンスまで表現
[ キーオフシミュレーター ]
鍵盤から指を離す速さによって、音の余韻の長さや表情が変化するグランドピアノ。AiR Grand音源では、そうした離鍵時の響きのニュアンスまで追求。奏者の指から伝わる繊細な感性をも表現できます。
構造上の特徴的な音も表現
[ 機構音システム ]
例えば、鍵盤を離した時にダンパーなどの機構が元の位置に戻る音が聴こえるように、グランドピアノは構造上のメカニカルな音も一緒に発します。「ダンパーノイズ」「ペダルアクションノイズ」「キーオンアクションノイズ」そして「キーオフアクションノイズ」。これらの機構音までも取り入れることで、アコースティックな響きを追求しています。
- GP-300BKはダンパーノイズのみ搭載。
グランドピアノを演奏する臨場感と表現力を
[ グランドペダルシステム ]
グランドピアノのダンパーペダルの動作を分析。踏み込み量に対する動作開始位置や効果のかかり具合を再現することで、グランドピアノにより近い操作性や踏み応えを実現しました。さらに、奏者の好みで効果のかかりだす踏み込み位置を調整できるハーフペダルポジションも設けています。
原音に迫るクオリティで再生できる
[ ロスレス・オーディオ・コンプレッション ]
通常、デジタルピアノでは音の波形データを内部メモリーに圧縮して記録。それを発音時に再び伸張してピアノ音を再生します。そのため、再生音はMP3などの圧縮オーディオと同様に、原音からはどうしても劣化してしまいます。AiR Grand音源では、先進の圧縮技術である「ロスレス・オーディオ・コンプレッション(可逆圧縮伸張方式)」を採用。これにより、原音の波形のクオリティを劣化させることなく、3つのグランドピアノ音色を再生でき、アコースティックに迫るピアノ音での演奏が楽しめます。
Sound ~ 音響
音の伸び、拡がり、深みを味わえる立体的な響き。
フルコンサートグランドを含むグランドピアノの音は、響板から上下に拡がります。その原理をもとに開発したのが、グランドアコースティックシステムです。6つのスピーカーの設置位置と音の通り道を工夫することで、上から聴こえる音は上から、下から聴こえる音は下から拡がっていく、グランドピアノと同様の音響を実現しました。また、音が本体内に隙間なく設置された鍵盤機構を通って拡散されることで、芳醇な音空間を創出します。
この音響を身近に感じられる機能として、グランドピアノの前に座って演奏する臨場感そのものを味わえる「プレイヤーズ・ポジション」、自分の演奏を聴衆の位置から聴いているような効果を得られる「リスナーズ・ポジション」、有名コンサートホールのような特別な場所で弾いている感覚を演出できる「ホールシミュレーター」を搭載。CELVIANO Grand Hybridが誇る音の伸び、拡がり、深みを立体的に堪能することができます。
上下左右に拡がる自然な音響
[ グランドアコースティックシステム ]
カシオは、グランドピアノの構造や音の拡がり方を徹底的にシミュレート。響板から上下左右に音が拡がるグランドピアノの音響を得るために、CELVIANO Grand Hybridは上向きに2つ、下向きに2つのメインスピーカー、さらに演奏者に向けた2つのツイーターの、計6つのスピーカーを配置。天板からの反射音や鍵盤機構を通って聴こえてくる音なども活かしながら、演奏者を包み込むような立体感のある音響を可能にしました。
大屋根の開閉による広がりのある響きを
[ 天板開閉構造&リッドシミュレーター ]
グランドピアノでは大屋根を開閉することで音量や音質が変化します。CELVIANO Grand Hybridは、天板を開閉できる構造により、グランドピアノの大屋根を開けた時のような豊かで拡がりのある音で演奏できます。また、音源部には、大屋根の開閉量に伴う音色変化をデジタルでシミュレートするリッドシミュレーターも搭載。開閉量の設定を選択することで、好みのピアノ音による演奏を楽しめます。
- 本体の天板を開閉してもリッドシミュレーターの設定値は変化しません。
有名ホールの音響特性を4ポジションで体感
[ ホールシミュレーター ]
透明感のある端正な響きや、伸びやかで華やかな響きなど、世界的に有名なコンサートホールの音響特性をシミュレート。先進のデジタルシグナルプロセシング技術により、臨場感あふれるサウンドを堪能できるホールシミュレーターをさらに進化させて搭載しました。12種類ものホールシミュレーターを用意し、これらそれぞれを「プレイヤーズ・ポジション」と「リスナーズ・ポジション(3種)」、計4つのポジションで疑似体験することができます。例えば、大きなホールのステージで演奏している時、自分に音がどう聴こえるのか。また、その演奏が客席からはどう聴こえるのかも確かめることができます。
- ROOM
- SALON
- N.Y. CLUB
- SCORING STAGE
- DUTCH CHURCH
- STANDARD HALL
- OPERA HALL
- VIENNESE HALL
- L.A. HALL
- BERLIN HALL
- FRENCH CATHEDRAL
- BRITISH STADIUM
小さな音量でも快適な演奏感を
[ ボリュームシンクイコライザー ]
ご自宅で、また夜間など、音量を抑えて演奏する場合に役立つのがボリュームシンクイコライザーです。一般的に音量を小さくしていくと低音と高音が聴き取りにくくなります。ボリュームシンクイコライザーは音量を小さくすると自動的に低音と高音を補正。音量の大小にかかわらず、すべての音域においてバランスのとれた音で快適に演奏することができます。この機能は音量つまみを中央よりも小さくした場合に作動します。
自然な音の拡がりを実現
[ ヘッドホンモード ]
ヘッドホンモードは、ヘッドホンを使用すると自動的に音質を補正。アコースティックピアノを弾いている時に耳に届くような、より自然な音の拡がり方を再現することで、心地よい演奏を可能にします。
Touch ~ 鍵盤
[ ナチュラルグランドハンマーアクション鍵盤 ]
弾き手の繊細なタッチがそのまま音になるような、グランドピアノの表現力や弾き応えを得る―。そのために、CELVIANO Grand Hybridは木製の鍵盤を採用。良質なオーストリア産のスプルース材に、グランドピアノと同じ乾燥・加工を施し、鍵盤として形成したものを搭載しています。また、押した鍵盤を音に変えるアクション機構も、カシオはグランドピアノの弾き応えに大きく関係するハンマーの動きを徹底的に研究し、力学的に同じ構造のアクション機構を開発しました。この木製鍵盤と独自のアクション機構の融合が、鍵盤を押した時のエネルギーの変化、すなわち指先のニュアンスをより敏感に伝えることを可能にしています。さらに、鍵盤の表面もグランドピアノと同等の素材を使って仕上げることで、指にしっくりなじみ、すべりにくく弾き疲れしない感触にこだわりました。これらにより、トリルや同音連打、一瞬の動きや速いパッセージを意のままに操る演奏性や、ピアニッシモでの繊細な色づけ、多彩なタッチをそのまま音にする表現力を実現しました。
C.ベヒシュタインのグランドピアノの鍵盤と同じ素材である、良質なオーストリア産のスプルース材を使用。
鍵盤とハンマーの動きは、グランドピアノと力学的に同様の構造を採用。優れた連打性を実現し、より繊細な表現を可能にしています。
鍵盤を押し下げる時に指が受ける荷重の変化が極めてグランドピアノに近くなるように調整。
Experience ~ 演奏体験
オーケストラとピアノのアンサンブルを実現
[ コンサートプレイ ]
コンサートプレイは、収録したオーケストラの臨場感ある生演奏をバックに弾くことで、まるで共演しているような気分を味わうことができる機能です。また、コンサートプレイの曲は、再生、一時停止や早送り、早戻し、A-B区間リピートが可能。さらにテンポも80%の速度に下げることができるなど、難しい曲も練習しやすくなっています。
- ピアノコンチェルトNo.1 作品23 第1楽章
- 雨だれの前奏曲
- 交響曲No.9より 歓びの歌
- ジュ・トゥ・ヴ
- モルダウ
- カノン
- ピアノソナタ 作品13〔 悲愴〕 第2楽章
- かなしい歌
- 主よ、人の望みの喜びよ
- 展覧会の絵「 プロムナード」
- ピアノソナタK.331 第1楽章
- だったん人の踊り
- ピアノコンチェルトNo.20 K.466 第2楽章
- ヴァイオリン協奏曲 作品64 第1楽章
- ヘ調のメロディー
Features ~ 多彩な機能
鑑賞だけでなくレッスンにも役立つ[ ミュージックライブラリー ](楽譜集付属 ※ )
弾いて聴いて楽しめる60曲の「ミュージックライブラリー」を内蔵。右手/左手の各パートオフやテンポの設定もでき、レッスンに役立ちます。内蔵曲にはそれぞれ「ベルリン・グランド」「ハンブルク・グランド」「ウィーン・グランド」の3つのグランドピアノ音色の中から、曲に最適な音色が設定されており、音色を切り替えて楽しむことも可能です。
- 著作権の理由により、一部、楽譜集に掲載されていない曲があります。
2人でのピアノ練習に[ デュエット機能 ]
鍵盤の中央から右側と左側で同じ音域に設定することが可能。親子や、先生と生徒など2人でお互いの音を聴きながら練習できます。
自分の演奏を持ち歩ける[ オーディオレコーディング機能 ]
市販のUSBフラッシュメモリーにオーディオデータ(44.1kHz WAVフォーマット)として演奏を録音し、パソコンで再生したり、CDにしたりすることができます。また、本体内蔵メモリーに録音されているデータを再生しながら鍵盤演奏すると、その内容も一緒にUSBフラッシュメモリーに録音できます。
- CDの制作には、市販のソフトを必要とする場合があります。
レッスンのチェックに[ 録音機能 ]
自分の演奏を録音して聴くことで、演奏中には気づかなかった間違いやテンポの乱れを確認することができます。
練習に欠かせない[ メトロノーム機能 ]
演奏速度を正しく保つ練習に欠かせないメトロノーム機能。拍子やテンポの設定が可能です。
多彩な演奏スタイルに対応[ レイヤー機能/スプリット機能 ]
レイヤー機能を使えば、2種類の音色を重ねて演奏することが可能。またスプリット機能によって低音域と高音域で音色を分けることもできます。
誤操作を防ぐ[ 操作ロック ]
ボタン操作をロックし、誤った設定変更を防止します。