この考え方いいな、と思った子どものノートやワークシートをデジタルカメラで撮影してプロジェクターでパッパッと投映する。時間が有効活用できます。

6年1組 山口 剛史 先生

6年1組担任 山口 剛史 先生

6年1組を受け持つ山口剛史先生。ICT機器を使いこなし、授業に役立てているとのことで、プロジェクターの活用法や、接続の仕方などを他の先生に教えることもある。

「基本的に、プロジェクターは子どもたちに見せたい写真や動画を大きく提示するために使っています。また、子どもたちの発表のとき、ノートやワークシートを映すのにも使っています。発表用に子どもたちの意見を書き直させたりする手間がいらない分、考える時間を十分取ることができます。」

使い方としては、別段他の先生と変わりないように感じるが、こだわりはノートやワークシートを投映する時の入力手段だ。

「書画カメラを使うのもいいのですが、その方法だと、子どもたちが挙手をし、前まで来て発表をするという時間が必要になります。私が使うのはデジタルカメラです。子どもたちが書き込みをしている間に机間巡視をし、この考え方いいな、と思った子どものノートやワークシートをデジタルカメラで撮影しておきます。後で『こんな意見が出ましたよ』と、プロジェクターでパッパッと投映する。時間が有効活用できます。個人的に、デジタルカメラとプロジェクターの相性はとてもいいと思っています。」

ICT機器を積極的に活用しているからこそ、各機器の長所短所がわかり、状況に応じて使い分けることができる。子どもに落ち着いて発表をしてもらいたいときは、書画カメラを使用するそうだ。また、目でとらえることが難しい現象を見せたいときにもプロジェクターは役に立つという。

「理科では、ものの燃え方の実験のときに、火が消えてしまう瞬間を大きく見せることができます。また、反応を加えたときの一瞬の変化も逃さず提示することが可能です。生き物の幼虫を書画カメラで拡大して、どういう様子かを確認したりするときにも便利です。書画カメラには顕微鏡のレンズをつけることもできるので、メダカの卵や微生物の観察もスクリーン上で行えます。」

線対称の漢字はどれ?大きなスクリーンで確認しながら、対称的な漢字を探す授業

一人ひとりが顕微鏡で観察するのも悪くはないが、構造などをしっかり確認するときは、大きなスクリーンに映し出す方がいいそうだ。他にも、社会科では衛星写真を映し、山間部や川の地形を確認したり、図工では、風景画を描く前に、デジタルカメラで写真を撮影、スケッチ風のエフェクトをかけてからプロジェクターで映し、下書きの参考にしたりと、ユニークな活用法が挙げられた。

また、プロジェクターを導入する前は、大型テレビに映像を映し出して対応していたそうだが、そのときと比べた利点として、山口先生は見やすさを挙げる。

「テレビだと角度によって画面が反射してしまうのと、クラスの奥の方からは見えづらいというデメリットがありました。プロジェクターはスクリーンサイズも大きいし、光で反射することはありません。実際に比べてもらえばわかるのですが、晴れた日でも、クラスの隅の方からでも、ちゃんと見えます。」